長い長い梅雨があけた。
やっと晴れたことを喜ぶと同時にこれから夏本番が始まるのかと思うと少し憂鬱にもなる私。
でもその私の横では愛犬ルーシーが晴れた空を見ながらなんだか嬉しそうにしている。
ルーシーはコッカー・スパニエルの女の子で雨の日の散歩は嫌いなので、梅雨の間はあんまり散歩に行けなかった。
だからこの快晴が嬉しいのだろうが私にはチョット暑すぎるので思わずオンボロクーラーのスイッチを入れてしまった。
でも我が家のクーラーは古いので、いつまでたっても涼しくならない。
そんなわけでスイッチを入れた事も忘れてつい口走ってしまった「よし、じゃあ散歩でも行こうか!」
快晴の空を見つめて嬉しそうなルーシー顔を見てもっと喜ばせたくなってしまったのだ。
「散歩」と言う言葉を聞いてテンションがマックスになるルーシー。
リードをつけようとしても、くるくる回ったり飛び跳ねたりと全く手が付けられない。
こうなるからいつもは黙ってコッソリ後ろからリードをつけるのだ。
ただ私の「お座り」とか「待て」という言葉だけが虚しく部屋に響いていた。
やっとのことでリードつけて散歩に出かける事ができ快晴の街を楽しく散歩していたはずだったのだが数十分たった頃、少し前まで快晴だった空がいつの間にか黒い雲に覆われていた。
いわゆるゲリラ豪雨というやつだ。
傘もカッパも持たない無防備の私たちに容赦なく雨が降って来るではないか
「ひえ〜」雨嫌いなルーシーと私は一目散でお家へ逃げ帰ったが、やっとのことで家に着いた頃には2人ともびしょ濡れだった。
そしてあろう事かオンボロクーラーがしっかり仕事をして部屋が冷え切っている。
「こんな時にかぎって」そんな事を口走りながらクーラーを切って、そのまま2人で一緒にお風呂へ逃げ込んだ。
ようやく温まった私は、ルーシーご自慢の金髪の綺麗な毛並みもドライヤーでしっかり乾かしてあげた。
やっとソファーに座れて一息ついて外を眺めるとあざ笑うかのように快晴の空。
また暑ささえ感じる!
「なんでやねん!」
そして「今日は散々な1日だったなぁ」と思い返しているとルーシーが、のそっと起き上がり水を飲みに行く。
ペロペロペロ…… この日差しと走って帰ったのもあって喉が渇いたのだろう、水をがぶがぶ飲んでいる。
口の周りだけでなく、立派な胸毛も少し水に濡れる。これくらいはいつものことだ。
だが次の瞬間ルーシーが驚くべき行動に!
水入れの上に思い切り伏せをしたのだ。そして水あびの要領でじゃぶじゃぶするルーシー。
『気持ちーーーー!!』私の目にはルーシーがそう言っているようにしか見えなかった 笑
「今やっと乾かしたところでしょう〜」と叫ぶ私。
全く聞く耳を持たず前脚も水につけバシャバシャして遊んでいる。
あまりにも豪快で楽しそうな遊び方にもう見ているしかなかった。
その後、水を浴びて満足したルーシーが私のもとに興奮して走ってくる。
「楽しいよ〜、一緒に遊ぼう~」とソファーに座る私のところに猛スピードで飛び乗ってくる。
びしょびしょの胸毛で私の服もびしょびしょに 笑
まさか1日に2回もびしょ濡れになるとは思わなかった。
でも、そんな事も愛犬が嬉しそうにヒザの上でゴロゴロしているのを見ると許してしまえる親バカの私です。
ただルーシーに一つだけ聞きたいのは、お風呂も水遊びも大好きなのに、何で雨は嫌いなの?という事です。
全部おんなじ水浴びなのにね。
動画版「ほのぼの話」
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