これはペットを飼う事に興味が無かった私が、心を入れ替えるまでの物語である
私はワンコもニャンコもとってもかわいいと思う。
でもこれまでペットを飼う機会には恵まれてこなかった。
なぜなら、私にはちょうど1歳になる息子がいるからだ。
若い時から仕事、結婚、出産、子育てと、バタバタした人生を送って来てペットを飼う余裕がなかった。
でもその代わり今目の前にいる我が子は子犬の様にかわいい!
ハイハイをする辺りから、かわいい!が止まらない。
まわりの先輩ママ達からも、「1番かわいい時期ね!」と言われるw。
ミニゴジラ並みの破壊力、足元にきて見上げるまなざし、なんでも口にして確かめる仕草、虫を捕まえようと小さな手を伸ばしたり、何をとってもかわいい。
でもその時、ふと思ったのだ。
もしや、ワンコやニャンコを飼う人もこの感覚なのかなぁ?
我が子は20歳、30歳と大きくなっちゃうけど、ワンコを飼うとこの可愛さが凝縮された状態が、ずっと味わえるってこと?
それを求めて皆さん、ワンコを飼ってらしゃるのかなぁ?
なるほど〜、それなら分かる〜。
一人でこの自論に納得していた私w。
が、ある日、この自論の正しさが実証されたのだ!
ウチの隣のご夫婦は、リリーというメスのワンコを飼っている。
リリーちゃん、雑種なのだが、白くて、とても上品な顔立ちをしている。
中型犬だが家の中で飼ってらっしゃるようだ。
時々、朝早く出ると、リリーちゃんを散歩をしている
ご主人と出会う事がある。
口数の少ない、でも礼儀正しい、会社では何かの役職に就いていそうな寡黙なご主人だ。
そんなある日、私が庭で草むしりしていた時の事突然事件は起こったのだ!
「あっ、リリーちゃんだぁー☆」
誰の声?隣のご主人の声?
でもこんなに高音だったっけ?
顔を上げて見てみると、ご主人が外から家の中のリリーちゃんに話しかけている。
「パパでちゅよー^_^リリーちゃんは窓越しに見ても美少女でちゅね~なんでそんなに可愛いのかな?不思議~あ!パパわかった!リリーちゃんはリリーちゃんだからそんなに可愛いんだぁ!」
あの寡黙なご主人が、赤ちゃん言葉でおどけて、窓辺に出てきてくれたリリーちゃんと、一方通行の会話をしてる…
私が毎日息子に話しているようにイヤ、それよりも凄い!
分かるよ〜、ご主人。かわいいものね!
可愛くて仕方ないよねー。
やっぱりね。
私は「ワンコも赤ちゃんのようにかわいい」という自論の正しさが実証されたことを喜び、ニヤけていた。
その時、私の視線を感じたのか?ご主人が突然振り向いて、目があってしまった!
ご主人、声に出さなかったが、顔全体から、心の声がダダ漏れしている!
「うわあああぁぁぁ、 やっちまったあああああ!隣の奥様に聞かれたああああぁ!誰か私を叩いて記憶を消して!」と顔に書いてある。
「いやいや、私の記憶が消えないと意味なくない?」とか勝手に突っ込んでいたら、真っ赤な顔のご主人が、私の視線から徐々に消えていった…それを見ていてこっちまで恥ずかしくなったが、その時一つの事に気づいた。
「もしワンコと子供がいたらずっと幸せなんじゃない?」という事にだ。
今、目の前には息子とチワワがいて楽しそうにじゃれあっている。
そしてそれを見て予想通り、最高の幸せを感じている。
そこには隣のご主人のように、「息子も、ワンコも、私たちに 幸せと癒しをありがと〜う!」と、大声で叫びたい気持ちを必死に抑える私が静かに座っていた。
動画版「ほのぼの話」
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