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60歳近い父に保護された元捨て犬の愛犬。その子は父への恩返しにと、、、

 

息子が道で雑種の子犬を拾って来た。

 

宝石の様にかわいい子で道端でクーンクーンと泣いていたのだそうだ。

 

でもウチは残念ながら県営住宅でワンコは禁止だ。

 

そこですぐ近くに住んでいる両親に相談に出かけて長時間の交渉の末に飼ってもらうことになった。

 

最初は乗り気じゃなかった60歳近い父も最近まんざらでもないみたいだ。

 

息子はその子をスマイルと名付け、時間がある時はちょこちょこ私の両親の所に一緒に行くようになった。

 

ある日、玄関を入るとスマイルが、何か黒い毛むくじゃらな物とじゃれ合っているのを目撃。

 

ネズミ?鳥?

と思ってよく見ると、なんと!父のかつらだった!

 

「やだ!うわーもう使えないわ〜」

 

そこへ、風呂上がりの父が「俺のがどっかいったー!」と言ってドタドタ現れた。

 

父は、若い頃から髪が薄くなってきたので、かつらをつけている。

 

今は家ではあまりつけないので、私にとって、かつら姿は違和感が極まりない。

 

でも、父は背広とかつらがセットになっているようで、会社に行く時は必ず必要なのだ。

 

きっと、社内では、社員にバレバレで、みんな口にしないけど、内心笑われているに違いないと思っている。

 

だが、この日、スマイルによって父のかつらはズタボロになってしまった。

 

「お父さん、もう、付けて行かなくてもいいんじゃない?」

 

「いーや。昔のがあったはずだ!」

 

と、昔使っていたかつらを引っ張り出して付けて会社に行った。。。

 

でもそれからスマイルは、好奇心とイタズラ好きに拍車がかかったようで、事あるごとに父のかつらを狙うようになった。

 

父も、かつらを守るため、なるべく接近を避け行動したり、うまく隠したりしているが、スマイルの方が一枚上手であった。

 

次の土曜日、父の頭を見ると、一段、クオリティが下がったかつらがのっている!
私も笑いをこらえるのが一苦労だww。

 

「またやられたの?」

 

「あぁ、バスタオルの間に隠して風呂に入ったんだが、なんでかなぁ〜しっかり見つけやがったー。でも、あと1個予備があるからな!大丈夫だ」

 

そうなんだ…父も頑固だなぁ〜。でも、全部やられる日もそんなに遠くなさそうだ。

 

その次の日曜日、父の頭には、まるで昔のリカちゃん人形の髪の毛のようなクオリティのかつらがのっていた…

 

やばすぎる!これはひどい!

 

定年が間近な、役職にも付いている父が、月曜日この装いで会社に行くのはなんとしても阻止しなくては!

 

父の前で、平然とお茶を飲んでいる母にもビックリだ!

 

この頭を目の前に吹き出さないでいられるのだから!

 

私はスマイルに今日中にかつらを取るんだぞ!と目力を送った。これさえ壊せば父も観念するだろうから。

 

そうして2時間後、買い物から帰ってきたら、スマイルが黒い物で遊んでいるではないか!

 

あの昔のリカちゃん人形の様なカツラ(戦利品)を誇らしげに私に見せてくれた。
「よし!スマイル!良くやった!」

 

当の父はどうしているかと心配していると、

 

台所で母に頭を剃ってもらっていた。

 

その顔は怒っておらず、なぜか?嬉しそう。

 

「最後のもやられちゃったんだね〜」

 

「あぁ、もうスマイルとの戦闘に疲れたよ。欲しそうにしてたからくれてやった!」

 

最後は潔く、丸めたのね〜。

 

父は自分の頭を満足そうに撫でていた。母も嬉しそう。

 

「私、お父さんにプレゼントがあるんだ!
ほらっ!オシャレなハンチング帽!」

 

スマイルだけに任せておけないと思って私も準備していたのだ!
似合う!似合う!と20回は言ったと思う。

 

月曜日、仕事から帰宅した父に会社での反応を聞くと、「暑いから髪型変えてみた」と言ったらしい。

 

最後まで頑固な父であった。。。

 

でも、みんな「すごくイイ」って拍手してくれたそうだ。

 

ほら、やっぱりみんなにバレてたやん。

 

当のスマイルは新しいハンチング帽を狙うかと心配していたが、すぐに寄り付かなくなった。

 

やっぱり、あのかつらの毛と父の頭の臭いがたまらなかったみたいですね。

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