厳しい警察官として有名な父親がある晩、突然、雑種の汚い子犬を連れて家に帰ってきた。
捨て犬として警察署で預かったんだが、決まりに沿って、すぐに保健所に引き渡す予定の犬らしい 。
でも、そんなワンコを父は、可哀そうに思い、ウチに連れてきたらしい。
しかし、突然、犬を世話する大変さに猛反対する母が言う
母「なにを言ってるの、すぐに返して処分してもらってきて!」
父「・・・・・」
しかし、何とか父は母に頼み込んで、庭につないで、一晩だけおいておくことになった。
わたしも、ワンコが夜中に「キュ~ン、キュ~ン」と寂しい声で鳴くので様子を見にいったら、ひとりで寒そうにしているのを発見。
それで、部屋から、いらないズボンを持ってきて、下に敷いてやったら嬉しそうに私にジャレてくる
朝に起きてから心配になった私はすぐにワンコを見に行った。
すると、その子がズボンの片方の裾のなかでスヤスヤ寝ているではありませんか。
「かわいい!」
でも、情が移ると後が辛くなるだけなので、そのまま学校へ出かけた。
でも、急いで学校から帰ってくると、まだその犬いる・・・アレ?
母に事情を聞くと、車にその犬を乗せて出勤した父が、数分後に帰ってきて「頼むからコイツを助けてやってくれ」 と号泣したらしい。
「人を見たら盗人と思え」と教える厳しい父が、そんな行動をするのはとても意外だった。
でも、そうやって我が家で暮らすことになった普通の雑種のワンコは、そのまま15年、大切な家族になりました。
そして、厳しかった父もその頃からいくらか優しい人なりました。
動画版「ほのぼの話」
#73【犬のほのぼの話】厳しい警官で有名な父が、子犬を飼うために母に使った意外な方法とは?
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