「絶対、かっこいい犬がいい!」
7才の息子の希望により、我が家でかっこいい犬を飼うことになった。
私たちもペット可能のマンションに引っ越したので、この機会に長年の夢だったわんこを飼う予定だったのだが、かっこいい犬…難しい…。
でも思いつくのはやっぱり、Youtubeでよく見ていた、シベリアンハスキーだった。
息子にも写真を見せたとこ、「かっこいい‼︎」と、すぐにokだった。
でも、ハスキーの飼育は簡単では無い!
だから予行練習の意味も込めて、ワンワン動物園にハスキーの見学に行く事になった。
しかし到着して大人のハスキーを目の当たりにすると、あんなに「カッコイイ!」と言っていた息子も見た途端、泣き出す、泣き出す。
それもそうだ!YouTubeとは違い、自分より大きいオオカミ似のワンコが目の前にいるのだから。
その後も、泣きながらの散歩を終えて、これで諦めるかなぁと思ったら「あれがいい」と言う。
なんと!「怖い」より、「カッコイイ」が勝ったみたいだ。
そんな経緯で我が家にシベリアンハスキーがやってきた。名前はカイになった
澄んだ青い瞳がとてもかっこいい男の子。
こうして無事に、息子の『かっこいい』の要望も叶えてあげることができたのです。
それから1年半が経ち、息子が小学校2年の頃には、カイは立派な大型犬となっていた。
お座りした状態の顔の位置が立った息子と同じぐらいで、顔もまさに狼のように凛々しくなった。
もちろん、子犬の頃から飼っている息子にとっては、カイは兄弟みたいなもので、全く怖く無い!
でも、はたから見るとカイのインパクトはだいぶ強いみたいで、散歩している時、ほとんど人は寄ってこない。
他の犬に吠えられても、基本的に吠え返すこともせず、目力だけで圧倒出来ている… 。
息子のお友達が遊びにきた時も、もちろんみんなカイに触ることができない。小さい子からしたら最初の息子と同じで『恐い』しか無いのだろう。
でも、そんな凛々しいカイと息子と動物病院に行った時に、事件は起きたのだった。
常にキリっとしているカイは、みんなが泣き叫ぶこの場所でも堂々としたもんだ。
周りにたくさんの人や犬がいてもぶれないところを見ると、飼い主ながら、本当に凄いなと感心した。
もちろん診察室に入り先生を前にしてもブレないカイ!
さすがだが、先生が爪切りを取り出すと明らかに動揺し始める 笑
さっきまでの威勢はどこに行ったのか、爪切りを見つめながら顔がひきつり、私の方を見て助けを求める。
そして先生が手を持つと我慢の限界が来たのか、「クゥーーーン!」と『やめて〜〜泣』と鳴き始めてしまう。
痛いとかではないはずなのだが、爪切りをする時は、いつもこうなってしまう 笑
今日は息子も初めて来たので、息子に助けを求めるカイ!
いつものカイの凛々しい姿を知っている私と息子は、目を見合わせて、笑ってしまった。
そして終わると、いつものカイに戻る。
今日は息子と一緒という事もあいまって、『え、何もありませんでしたよ?』凛々しいというよりかは、白々しい表情を見せている。
爪切りを克服できたら、真の『かっこいい』犬になるのだが、初めて『かっこよく無い』カイを見た息子も、もっとカイの事を大好きになったみたいだ。
今はさっさと息子と一緒に病院の外へ逃げて行きました。
あの「カッコイイ」子にして本当に良かったと実感した日でした。
動画版「ほのぼの話」
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