「よし、ついに我が家も犬を飼おう!」今から3年ぐらい前、日頃は消防士として働く強面(こわもて)の父が突然そう言い出した。
「やった〜ついにこの日が来たんだね」ワンコが大好きな私たち家族は大興奮!
そうなれば、早い方がいい!次の週末には家族3人でペットショップを数件回って、ついに我が家に新しい家族が加わることになった。
それがサクラ、ウェルシュコーギーの女の子だ。
飼うならコーギーだと昔から家族会議で決まっていた
そして私たちは5軒目のペットショップで出会えた、ガラス越しの小さなサクラを見た時に「この子だ!」と直感で即決したのである。
普段は無口な父も必死に短い足でガラスに向かってピョンピョンッしている姿に悩殺されたようだ。
顔がデレデレになっている!いつもとは別人の様だった。
こんなにワンコ好きな家族だが、実は父の転勤などもありこれまではワンちゃんどころか、ペットすら飼う事の出来なかった。
でも父の部署が変わったのでやっとサクラを迎える事が出来たのだ
大喜びだが、初めての子犬の世話に家族全員が振り回される毎日
母「あーそこでしちゃダメ〜」
私「ひっかかれた〜」
父「オレのイヤホン噛まれた」
などとそれぞれ楽しい毎日を過ごしていた。
しかし、サクラが5ヶ月ぐらいの時にその事件は起こった…
母がサクラをなでなでしていた時「何これ⁉︎」と突然騒ぎ始めた!とうのサクラは「ナニナニ?」と不思議そうな顔。
私たちが駆け寄ると「お腹にしこりがある!もしかして腫瘍かも!」母のこの一言で我が家は大パニック。
数々の修羅場をくぐって来たであろう父が1番あたふたしている!
父「どうしようお母さん!ガンかなぁ、腫瘍かなぁ」
母「お父さん、チョット落ち着いて」
なぜか熟練消防士を落ち着かせる母
母「そういえば、首のあたりにもしこりが、、、ほら〜」
父「ほっ本当だ!どうするお母さん!」
母「どうするって、知らないわよ〜」
もう二人はパニック状態!
その間も家族がワイワイしているのが楽しかったのかサクラはピョンピョンしていた。
唯一落ち着いていた私が「とりあえず獣医さんに診てもらおう」と言うと、「すぐに病院に連れて行こう」という事になり3人で動物病院に向かい獣医さんに診てもらった。
開口一番、父が
「先生、これ腫瘍でしょうか⁉︎」固唾を飲んで見守る母。
「これは…」絶句する先生。
ケロッとしている愛犬サクラ。
「ご安心ください、これはおへそです」
全員「えっおへそ⁉︎」
あまりにも平凡なな答えに驚きを隠せなかった私たち。
犬におへそがあるという概念すら浮かばなかった。
でも食い下がる父
「でも先生、首のところにも、、ほら〜!」
先生「あ〜これは毛が根元の方で絡まってるだけですね。」
父「絡まってるだけ〜、、、、よかった〜」
急に力が抜ける父と母
こうしてサクラの腫瘍事件は何事もなく解決したのである
それからというもの獣医さんの言う通り特に病気などもすることなく、大きくなったサクラ
今もとなりで楽しそうに遊んでいます。
あの事件を通して自分の両親ながら、ここまで愛犬を大事にする家庭に生まれて良かったと思う今日この頃です。
「まだまだ初心者な飼い主だけど、これからもよろしくね。」と問いかけても相変わらず、短い足でピョンピョンしているサクラでした。
動画版「ほのぼの話」
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