今から10年前、僕が初めて遠足で動物愛護センターに行った時の話。
その時の僕はその場所が一体どんな場所かという事を分かっていなかった。
ただそこにはたくさんのワンコたち特にかわいい子犬たちがいたので、ワンコの楽園の様な場所だと思った。
だからそんな嬉しい気持ちいっぱいでその中の1匹に一目惚れした。
昔からペットショップに行くのが大好きで子犬を見てはずっと「買いたい」と思っていたが両親はペットを「買う」ことには反対だった
でも僕にとってその愛護センターでの出会いはその後の人生を変えるものになる
僕は遠足から帰るなり親に「あの子犬をどうしても飼いたいよ〜」と必死に頼み込み、その時は意味がよくわからなかったが「愛護センターから引き取るなら」と言うことで、ついにジャックがうちにくることになったのだ。
このジャックと言うのは僕が子犬につけた名前である。
ジャックを飼う条件として「散歩やご飯など僕がしっかり世話をするように」という条件を両親から提示されたのを今でも覚えている。
今思えば漫画みたいな条件だ(笑)
最初はちゃんと世話できるか不安なところもあったが可愛いジャックを見ていたら「お前は俺が絶対守ってやるからな!」と自然とやる気がわいてきた。
そして忘れもしない僕とジャックの初めての大イベント。それはジャックとの初散歩だ
生後3ヶ月ぐらい経った時ついに散歩に行くことになった。
ジャックが外の世界を自分の足で歩くのはその時が初めて。
ジャックもドキドキだっただろうが、飼い主の僕も犬の散歩をするのは初めてだったのですごい緊張していた。
ピカピカのリードをつけて歩くジャック。
慣れないリードに戸惑うジャック。
目に入る物・景色全て興味を示すジャック。
あっちに行ったりこっちに行ったり…
リードがすごい邪魔そうだった(笑)
でも次第に散歩にも慣れルンルンと歩くようになった僕とジャック。
家に近づきこのまま何事もなく終わりそうだ!と思っていた瞬間!
前から1匹の野良犬が、、
そう、当時の僕の田舎にはまだ野良犬がいて、僕一人の時は大丈夫なのに、ジャックがいると豹変、もの凄いスピードで走って来る
すぐに尻尾を丸め、逃げようとするジャック
そしてジャック以上に怖がる僕!「でもジャックを守ると約束したじゃないか」と勇気を奮い起こしすぐにジャックを抱えて逃げた。
幸い、家の近くまで来ていたので、すぐに部屋の中に入ることができ、ことなきを得た。
しかし外で吠える野良犬を見ながらジャックも僕もブルブルと震えていた。
あれからもう10年が経過した、ジャックもすっかり大人になって数えきれないくらい一緒に散歩をしてきた。
子犬の時はビビリだったジャックも今では多少のことでは驚かない勇敢な犬になった。
そしてそのジャックの横には生後4ヶ月の小さな子犬が一緒に歩いている。
そう、今では動物愛護センターの意味を十分に理解した僕はもう1匹の子犬をジャックと一緒に最後まで守ってやろうと決意したのだ。
成長したジャックも自分の弟のように子犬を必死に守っている。
そんな姿を見ると自然に笑みがこぼれて幸せな気分になる。
あの日、ペットショップからではなくて、愛護センターからワンコを引き取って本当に良かったと思う。
将来もし自分が結婚して子供が生まれたら両親のように「愛護センターから引き取るならいいよ」と言ってあげたいと思います
動画版「ほのぼの話」
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