「クミン、行くよ!」
これは毎晩の恒例のやり取り。
主人が柴犬の女の子クミンをベットに誘っているのだ。
うちの主人は夕食後、お風呂から出ると、早々と2階の寝室に行き寝てしまう。
でも私と娘は、それからリラックスタイムスタート!
リビングでゆっくりドラマでも観るのが常なのだ。
そんな私達と一緒にいたいクミンは毎日、主人のかけ声に1、2回は無視する!
「わたし聞こえてないよ〜パパ」と言わんばかりにだ。
すると「クミン、行、く、よ!」と主人のかけ声もだんだんと強めになってくる。
主人は、クミンをベットに入れると湯たんぽのようで、寝てて気持ちいいらしく、どうしても連れていきたいのだ。
最終的にパパが抱っこしようとすると、「いやだ〜ママ達と一緒にドラマを見たいの〜」と言わんばかりに足をバタつかせて抵抗している。
でもそんな必死の抵抗も虚しく人さらいの様に抱えられて、今日も2階に連れて行かれるクミンであった。
そんなクミンを「おやすみ〜」と見送った直後、私は明日友達と買い物に行く予定を思い出した。
「そうだ!ちょっと顔面パックでもしようかな〜。」
テレビをつけ、お気に入りのハーブティーを用意して、リビングのソファーに横になって、リラックスタイムスタート〜。
すると「トコン、トコン」階段を下りるクミンの足音がする。
今日はなんとかパパの腕から逃げ出して来れた様だ。
「アラ?クミ〜ンどうしたの?
やっぱり、ママと一緒がいいのね〜
パパのとこから抜け出してきたのね〜」
と話しかけると、いつものように私の足元をクンクン。
その後、喜んで私の顔の方に「抱っこして〜」と飛びつこうとした瞬間!
転げ回りながら、娘の元に猛スピードで逃げるクミン。
そして「あんた、誰よ!」と吠えまくる。
パックをして真っ白い顔をした私を見てオバケかと思って驚いたのだろう。
それで、娘の方に一目散に逃げたのだ!
しかし「ねーお姉ちゃんあの人、誰!」と娘の顔を見て、再び「ギャ〜〜!」と転びながら二階へと逃げて行ってしまった。
「じゃあ、私もパックする〜」と娘も同じ様に真っ白い顔だったのだ。
かわいそうに。
でもそれからはパパが「クミン一緒に寝ようか?」と誘うとすぐに抱っこされるようになった。
パパは素直になったと喜んでいるけど、その理由は私と娘だけが知っている。
動画版「ほのぼの話」
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