「ふぅ、今日の現場はキツかった〜」
仕事から帰り、夜ご飯を食べ、お風呂に入ったらベッドに横になれるのはいつも23時ごろになってしまう。
しかも今日はしっかりセメントを運ばせてもらったから、土建業で鍛えた俺の自慢の筋肉も悲鳴を上げている。
でも実はこのままバタンキューと眠れる訳ではない。
ゴソゴソッ。
ベットで寝始めると、決まって邪魔しにくる奴がいる。
そうここからもうひと現場が始まるのだ。
薄目でチラッと足の方を確認すると、いつものようにハロがちょこんと座っている。
そうこのハロは我が家で飼っているコーギーの男の子だ。
俺が高校生の時から飼っているからもう8歳だ。
そんなハロが眠そうな俺をずっと見つめている。
「ハァハァッ!ね〜これから何が始まるの?」
期待に溢れる目で見つめてくる。
「もう今日は疲れたのー、眠いのー、寝かせてー」と枕に顔を沈める。
そして、少ししてからハロの方をチラッと確認するとやはりキラキラした目でこちらを見ている…
「ん〜間違い無い!あの目にはうちの鬼親方より俺を動かす力がある」
でも一瞬生まれかけたその感情を押しころし布団に潜る俺。
実は最初はこうじゃなかった。
ハロはずっとリビングで寝ていたのだが、数年前俺のベットにやってきた事が嬉しくて寝る前に遊んでしまったのだ。
それが失敗だった。それからというもの夜になると「のそのそ」とやってきては寝ている僕の足元に伏せて待ち続けるのだ。
ついに頑固な俺に耐えきれずハロが動いた。
短い足を何回も俺の体にポンポンしてくる。
「もう寝るって言ってるじゃーん」と文句を言いながら布団から顔を出すと、ハロはあいかわらずキラキラした目でこちらを見ている。
「そんな目で見られたら遊ぶしかないじゃん!でも10分だけだよ!」と結局、布団から起き上がりハロをなでなでする俺。
すると本当に嬉しそうな顔をするハロ。
そしてボール投げやタオル引っ張りなどが始まりなんだかんだ言って嬉しい顔になる俺。
このようにして毎日、俺の貴重な睡眠時間が30分ほど削られていくのだ。
でもこの毎晩の習慣はハロも俺もやめる事が出来ないようだ。
そうして今夜もハロに癒され眠りについた。「明日の現場は遠いから5:00起きか〜」と思いながら・・・
動画版「ほのぼの話」
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