柴犬のゴロウが毎朝の散歩にウキウキしている。
リードを引っ張って、「オレについて来い!」と言わんばかりだ。
きっと私を散歩している気分をゴロウは楽しんでいるのだろう。
でも、そんなリーダーぶったゴロウの散歩コースに、ゴロウの苦手な物が2つある!
1つ目は、大きな側溝の蓋が網状の鉄製でできているところだ。一畳位の大きさで、下に流れている水が見えて、轟々と音が響いている。
その蓋の上をゴロウはどうしても歩けない。
私が歩いて「大丈夫だよ!」と見せても、絶対踏もうとしない。
そして、次の瞬間!
意を決しての大ジャンプを見せる。
その後、「あーなんとか乗り越えた〜」という嬉しそうな顔!
その姿が可愛くもあり、私にとっては楽しみにもなっている。
そこを通った後、もう一つの難関が現れる。
週3回、結構な頻度で出くわすのだけど、ある音が聞こえると、急に立ち止まり、ゴロウはピタリと動かなくなる。
私:「どうしたの?行くよ〜」
ゴロウ:「そっち、行かない…」
そう、その音の犯人はごみ収集車だ。
結構離れたところから立ち止まるので、臭いでわかるのか?
機械が回る音が聞こえるのか?
ワンコの特殊能力が“そっちに行ってはダメ!”と言っているのだろう…
いや〜他のトラックとそれほど見た目は変わらないのだけれど。
なぜかゴロウのシッポは足の間に入りっぱなしなのだ。
「分かったよー。回り道して帰ろう!」と違う道へ。
ぐるっと回って角を曲がった瞬間、ゴロウが、ピタッと立ち止まった。
その道の先にまた、ごみ収集車!
“アレ?なんで?さっきあっちにいたんじゃないの?“
まるで怪奇現象を見たような目をしている。
そう、私達の地区はちょうどゴミ収集の境目なので、2台の車が走るのだ。
そして、私を見上げて「ね〜ママ、アイツ瞬間移動したよ」と言ってくる。
それから言い訳が続く。
「あの〜ボク、べつに怖いんじゃないよ〜。嫌いなんだ。嫌いなだけだよ。
すいませんけど、また元の道に戻って頂けますでしょうか?」と訴えてくる。
「ハイ、ハイ、分かりましたよ〜」
たしかに、ゴミ収集車のあの機械に、バキッバキッという音と共に物がなくなっていくのは怖いと感じる。
もしかしたらなんでも食べちゃう恐竜のように見えているのかもしれない。
しかもワンコの嗅覚、聴覚は優れているから、大きなバケモノの様に感じるのもわかるような気がする。
しかもそんなバケモノに週3回も遭遇するのだから、帰る頃にはあのリーダーの様に振る舞っていたゴロウも、トボトボと、ついて来るようになる。
そう、この様なやり取りをする度に、ゴロウは私に守ってもらえると分かって良い子になるのだ。
そうして私達はUターンして、元の道を引き返した。そして、今日2度目の側溝の蓋の所で立ち止まり、
意を決して、再びの大ジャンプ!
まるで、ゴミ収集車の横を通るよりは、まだマシ!と、言い聞かせているようなゴロウの顔に吹き出してしまった。
本当は、ゴロウには内緒だけど、側溝の上も、ゴミ収集場所も通らないで行ける散歩コースもあるのだ。
でもゴロウの教育の為に、そっちは通らない。
いえいえ決してゴロウが見せる仕草や反応が可愛くもあり、私のツボなので通っているわけではありませんよ。
ウフフ、、、
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